狩猟座談会1(女子シューターを迎えて)

オンライン狩猟座談会〜はじまりはじまり〜

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HSN

今回のゲストは、米山 美希さんです。米山さんは、女性ながらベテランの銃猟師でもありつつ、Mikity Shooting Culbを主催し、クレー射撃の全国大会で優勝する等、狩猟、競技どちらも確かな腕前を持つ方です。助産師さんのお仕事をしながら、より気軽に狩猟をライフサイクルに取り入れてもらおうと活動されています。
更に、これから狩猟を始めたい!と検討しはじめたばかりのシンガーソングライターのまり子さんを交えて、狩猟についての素朴な疑問や不安などをぶつけていただきたいと思います。進行は、本スクールの講師、猪鹿庁の安田さんにお願いしております。
本日はよろしくお願いします。

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米山

米山美希と申します。宜しくお願いします!

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安田

猪鹿庁の安田です。
今日は元々はジビエ居酒屋『きくちゃん』で美味しいジビエとお酒を飲みながらの狩猟やジビエに関するトークイベントの予定だったのですが、昨今の状況を鑑みてオンラインでのzoom座談会とさせていただきました。 という事もあり、お酒を飲みながら、zoom飲み会的にやって良いという許可は長野県さんからもいただいてますので・・・。

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米山

私も聞きました!

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安田

僕は一応(はじめだけは)ノンアルコールビールで・・・。まり子さんは?

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まり子

え〜!飲む流れだったから『金麦』持ってきちゃった(笑)

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米山

私は長野県をPRするために、北アルプスの緑茶で!

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安田

良いですね! じゃあ、乾杯しましょう。あ、しかも、まり子さんロング缶だし(笑)

(全員)では、乾杯〜!

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米山

今回、この話をいただいて、一番楽しみだったのは、前夜祭、後夜祭を含めたこのジビエ座談会だったんです(泣)。

狩猟をはじめたきっかけ

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まり子

改めて、はじめまして。
東京でシンガーソングライターをしております、まり子と申します。私は長野県千曲市出身で、地元では猪を見かけたり、近所のおじいちゃんが猪などを獲っているのを見たりしてはいたんですが・・・。
狩猟に興味を持ち始めたところ、今回、この様な機会をいただいて・・・、同じ女性として、米山さんが狩猟免許を取ろう!というきっかけはあったんですか?


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米山

そーゆー質問は来るかなとは思っていて、私の場合、あまり参考にはならないかなとは思うんですが・・・。
私はかなり特殊だと思うのですが、祖父や大伯父、父など家族に鉄砲を持って狩猟をしている人がいたことや、周囲に山が多いので、近所にも鉄砲を所持している人がいる、という環境で育って・・・。 そして、私が二十歳になった時に、運転免許と狩猟免許と銃の所持許可の申請書が家に帰ったらテーブルに置いてあったというのがきっかけでした(笑)。 長野県の松本市という都市部ではあったけれど、我が家は、「二十歳を過ぎたら猟に行く」というような、通過儀礼的なところもありました。最近、それが特殊であることが分かってきましたけど。


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まり子

なるほど〜。本当に当たり前のように・・・。


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安田

よく聞く話としては、親やおじいちゃんが狩猟をやっていても、子供はその大変な部分を見たりで猟をすることを継承しないという流れが多いイメージがあります。
その話とは逆に、長野で狩猟をされている方に実際にお会いした中では、米山さんのご家庭の様に、代々狩猟をされている方が多いようにも思いますね。


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米山

そうですね。私の場合は家族の中で「冬は狩猟をする」という事が馴染みのある家庭だったので。ただ、やはり必ずしも、親御さんが狩猟をやっていているからといっても、家族それぞれの距離感もあるでしょうし、逆に「狩猟」のハードルを高く感じてしまう家庭ももちろんあるんでしょうが、私の場合は身近に体感していたと思いますね。


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安田

まり子さんが狩猟に興味を持ったきっかけは「食」、「食べる部分」ですか?


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まり子

そうですね!もともと食べる事が大好きで。お酒も好きですし。お肉も含めて地元でとれたものを食べるという事がとても新鮮に感じます。
ただ、米山さんのように家業と言うか、代々、狩猟をやられているというお話を聞いてびっくりしました。


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安田

米山さんはお肉を売ったり、有害鳥獣捕獲などによってお金を得たりという、お仕事としての狩猟や捕獲はしてないのでしょうか?


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米山

そうですね。私が住んでいるのは長野県の市街地で、害獣による実被害が比較的少ない地域だったり、被害があってもその被害のある地域の猟友会の支部の方にだけ有害駆除依頼があるいう事もあり、私が有害鳥獣駆除に参加できるようになったのはごく最近です。行政によっては、有害鳥獣駆除への資金援助が手厚い自治体もあるようですが、そういういきさつもあり、私が所属する支部は有害鳥獣駆除による収入というのはありませんね。猟期以外の時期に、有害鳥獣駆除等で捕獲した肉を販売している方も多く、知人には認定業者として取り扱っている人もいますが、私自身は肉類で収入を得ることはありません。
冬の狩猟期間にだけ狩猟を楽しむと言うか携わるという事で、「お仕事」という感覚はないですね。


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まり子

初めて「よし!猟に行くぞ!!」って感じでお父さんに連れられて狩猟に行った時、怖くは無かったですか?


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米山

怖いです、怖いです!
・・・怖いですよ。
今でも怖いです。


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まり子

え!それでも長く狩猟を続けてらっしゃるのは楽しさを感じてらっしゃるからですか?


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米山

そこは難しいんですが、楽しみだけではないんです。
私にとっては、「狩猟は仕事でない」と考えているので、とするとこれを聞いた方からすると「レジャーや趣味、楽しみ」として捉えられてしまいがちなのですが、
命のやりとりをする以上、「楽しみ」とは直ぐ答えられないというのが正直な気持ちです。
ただ、いざ猟場に行って獲物と対面すると、相手(獲物)と自分しかいないので、色々と考えている邪念も無くなって、自分が(獲物を)捕るか、相手に(自分が)やられるかそれだけ、という感覚になります。
単純に楽しみとは言えないですね。


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まり子

うん、うん。そうなんですね・・・。


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安田

僕も狩猟について色々な方からお話を伺っていると、本当に狩猟に対する捉え方って人それぞれあると言うか、純粋に楽しくてしょうがないって人もいますし、美味しいジビエを食べたいって人だったり、獣害から田畑や山を守りたいって人もいるし、そこはまり子さん自身が実際にやってみて感じて欲しいですね。


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まり子

そうですね。私は狩猟に対する興味と同時に、すごく怖いという思いもあって、今、米山さんがおっしゃったように下手したら動物にやられてしまうこともあるわけですよね。それでも狩猟をやっているのはすごいと思いますし・・・。なので、私もできるのかな?という不安は大きいですね。


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米山

狩猟にも銃や罠など色々なやり方がありますが、銃を含めて「怖い」という気持ちは最後まで大事にしていただきたいと思います。たぶん皆さん怖いと思うでしょうし、その怖いという感覚が無くなったら・・・、(安田さん)逆に心配ですよね?


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安田

ほんと、その通りですね。一番、怪我や事故が発生しやすいのが、怖さを忘れた時だったり、動物の怖さを舐めた時とかだと思うので、怖いという感覚は常に自分の中に持っておくべきかと思います。


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まり子

ああ、ちょっと安心しました。


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米山

長野県の獣害被害の状況や、ハンターが減っているなどの危機的状況の事を考えると、ハンターである私たちが担える役割があるんだと思いますし、
まり子さんの様な「これから狩猟をやってみたい」という方が狩猟をやろうと思ったきっかけや、実際にやってみた上での思いとかが、多くの方に伝わると良いなと思います。

日本人は、狩猟採集民族!?

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安田

狩猟をやるにあたって「怖い」という感覚とセットで、所謂「猟欲」というものが人間にはあると思っています。僕は自分自身が同じ動物として「この獲物を捕りたい!」という気持ちが、実際に猟をやってみて自分の中にもあったという事を強く実感したんですけど。この「猟欲」も人によって濃い人、薄い人がいるかとは思いますが、そんな「猟欲」という感覚を、米山さんは自分自身でどう捉えてますか?


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米山

私は、日本人は狩猟採集民族だと思っていて。我が家も海にキャンプに行って釣りをするとか、私自身が美味しいもの、食べるものを、自分で確保したいという思いが原点にあります。山に入って「この獲物を逃したら、一ヶ月分のお肉が・・・(無い)」という感覚が(皆んなにも)あっても変じゃないのかな?と思ったりしますけど・・・。どうですか?


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安田

そうですね。もう、デカい鹿や猪が目に前に「どんっ!」って捕れたときのシンプルな嬉しさって・・・


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米山

ありますよね!


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安田

他では代わりがきかないと言うか、狩猟でしか味わえない醍醐味だと思います。
先程、米山さんがおっしゃった様に、狩猟採集時代からず〜っと人間が当たり前にやってきた捕って食べるという行為であるのに、現代では急にそれが見えないものになってしまっていて・・・。
本来、その「捕りたい」という本能、欲を自分が持っているんだなって事を、実際に捕ってみて感じますよね。


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まり子

うん、うん、うん。


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米山

更に、フィッシングなどと違う点としては、命をもらう覚悟と、自分が命を取られる覚悟を乗り越えたからこそ、捕れたときの喜びも大きいんだと思います。


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まり子

うん、うん。


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米山

ただ、大きい獲物が捕れたらもちろん嬉しいんだけど、大きい獲物の方が(若い、小さな獲物よりも)肉は硬いよな・・・とか思っちゃいますけど。


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安田

(笑)そうですね。大きい獲物の場合は、たくさん手に入るお肉ももちろん嬉しいんですけど、それ以上に達成感が大きいですね!
これ(頭骨)、僕が初めて獲った獲物、発情期の大型のオス鹿なんですけど、これが捕れた時の感覚、嬉しさはずっと覚えてますね。


どの狩猟免許を取る?

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安田

まり子さんは、狩猟免許を取るとして、銃、罠、網などありますが、どれを取りたいですか?
※狩猟免許は、猟法ごとに、「第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)」、「第二種銃猟免許(空気銃)」、「わな猟免許」、「網猟免許」の4種類に分かれています。


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まり子

最初は銃は怖いので罠が良いかな、と思っていたんですが、今のお話を聞くと銃が良いかな〜と思ったり。


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安田

まり子さん、どれか一つではなく、銃も罠も両方取ることもできますので!


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まり子

あっ、そうですね!自分に合うやり方、形ができれば良いと思ってます。


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安田

米山さんは、罠もやってらっしゃいますか?


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米山

いいえ。罠はやってないですね。都市部に住んでいて、有害駆除ができない地域だった事もあり、罠がやりにくい環境だったので。


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安田

なるほど。
今のお話で思い出しましたけど、まり子さんはお住まいが東京の都市部ですよね?


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まり子

はい。


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安田

となると、罠を設置できる猟場まで、車で何時間もかかったりすると思うので、見回りのために毎日通うという事がかなり難しくなるという問題はありますよね。


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まり子

そうなんですよね・・・。なので、本格的に罠猟をやるとなったら、実家は長野なので、長野に引っ越すなどしてやれれば良いかなとは思っています。


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安田

そうですね。今すぐに狩猟・罠猟がやれないからと言って諦めるのではなくて、長期的に見て、自分の暮らしや働き方、住む場所などの環境も含めて狩猟がやれるように準備していけたら良いですね。


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まり子

はい。ぜひぜひ、今後も宜しくおねがいします。

どんな銃を選ぶのか・・・

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安田

米山さんはもう10年以上銃猟をされているって事ですが、ライフル銃って所持されてますか?
※ライフル銃の所持には「継続して10年以上猟銃の所持許可を受けているもの」という条件があるので、直ぐに持つことはできません。


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米山

はい。持ってますね。もう◯年目?


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安田

ってことはトータル1◯年くらい銃猟を?


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米山

あっ、あんまり細かい年数を言っちゃうと年齢が・・・


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安田

あ、すいません!!(笑)じゃあ、ここらへんの年数の表記はちょっと濁してもらいましょう(笑)


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安田

巻狩りの時は、ライフル銃、散弾銃、主にどっちを使いますか?

※「巻狩り」とは、複数人の猟師と犬で獲物を追い詰め、銃で捕獲する伝統的な猟法。獲物を追い詰める役割の猟師を「セコ」と読んだり、獲物を待ち伏せして撃つ役割の猟師を「マチ」、「タツマ」と読んだりします。)
参考動画:「鹿の巻狩りドキュメンタリー 猪鹿庁https://www.youtube.com/watch?v=rBdD-Utczkc

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米山

私は、巻狩での「タツマ(獲物をじっと待って自分の射程距離に入ったら撃つ役割)」で、獲物が360度どこから突然来るか分からないっていう事がちょっと怖いっていう点が一つと、最近、若干のこう・・・、やはり年齢が三十代超えたあたりから体型的な問題が・・・、ね?


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安田

ほ、ほう・・・(恐る恐る)


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米山

それで運動をしようと思いまして。そういう訳で、最近は「セコ」(山を沢山歩いて獲物を追い出す役割)をやる事が多いです。
※長野県では「タツマ」=まち 「セコ」が一般的です。


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安田

なるほど、そういう内部事情が・・・。


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米山

そうなんです・・・。


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安田

では、基本的には巻狩りのセコ(追い出し役)では散弾銃を持って山に入りますか?


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米山

いえ、基本的にはライフル銃です。向こう側の山の斜面の対象(クマ、イノシシ、シカ)とか、射程が遠いので。


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安田

あ〜、そこは長野特有の地形という感じがありますね。
岐阜県の僕らがやっている猟場の方では、山が急峻で近かったり、針葉樹が多かったりで遠距離狙撃の場面は少ないので、巻狩りの際は、遠距離向きのライフルではなく、散弾銃を使う人が多いですね。


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米山

まり子さんにとっては「??」な話かも知れませんが。
銃によって特性があって、近い方を撃つのに向いているものだったり、遠くを撃つのに向いているものだったりがあるので、自分がどんな狩猟がしたいかとか、どんな場所でやりたいのかで、決まってくる部分もあるかと思います。
その様な選び方なども、この「ハンティングスクール長野」で安田さんに教えてもらえますよ。


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まり子

うん、うん。


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安田

はい。しっかりやります。
まり子さん、コレがライフルタイプの銃です。(ライフルタイプのエアソフトガンを見せる) コレはライフル銃でもボルトアクション式といって、連射はできないですが、構造がシンプルな分、より精度の高い狙撃がしやすかったり、メンテナンスや安全管理がしやすいといったメリットがあったりします。 ライフル銃の所持には「継続して10年以上猟銃の所持許可を受けているもの」という条件があるので、狩猟を初めて直ぐに所持はできないですが、ハーフライフルというタイプであれば、直ぐに持つことも可能だったりします。(地域によっては、1丁目の銃としてハーフライフルの所持を推奨していない事例もあるようなので要注意。)


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米山

私はライフル銃でも、自動銃とボルトアクション銃を使い分けてて、高い精度が必要な場面だったり、連続で撃つチャンスがあるかも知れない場面だったりで選ぶ銃も変わってきます。
長野県の私の入る山は遠い距離で撃つ場面が多いので、その場合は高い精度で撃てるボルトアクション式のライフルを使ったりします。あと、北海道にも行くので。


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安田

あ〜、そうなんですね!ライフルさえも使い分けてるんですね。


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米山

自分自身でどんな場所や山で、どんな狩猟がやりたいのか、ライフスタイルも含めて思い描ければ一番なんですけど・・・、これから初めてやるという方には中々難しいですよね?あんまりそのような事を教えてくれる人も近くにいなかったりするかも知れないし。


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安田

そうですね。なので、正にそのような人のためのこの「ハンティングスクール長野」だったりする、と言うところはあります。


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米山

あっ、上手いこと話がまとまりましたね!


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まり子

すごい!(パチパチパチ)

好きなジビエと猟法は

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安田

じゃあ、米山さんに質問です。
好きなジビエ肉と食べ方を教えてください。


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米山

一番好きなのはクマ(ツキノワグマ)です。
私は市販のお肉は抗生物質の匂いがだめで、最近は牛肉に加えて豚肉もだめになってて。市販の鳥も脂っぽかったりして・・・。
美味しいジビエ肉を食べれば皆さん分かると思うんですけど。
クマの脂で野菜を煮たり、炒めたりして、普段の食卓にクマ肉を使ってます。
特別にステーキ!とかじゃなくて・・・。


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安田

クマ肉を普段遣いですか!?


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米山

贅沢にそうさせてもらってます・・・。


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まり子

すごーい!


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米山

捕れない時ももちろんあるから、クマがとれなかった時は、脂の美味しい時期のイノシシで。


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安田

それはそれでまた贅沢ですね。
鹿はあまり食べないですか?


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米山

鹿は逆にあんまり捕れなくて、
というのも、シカの個体数自体はそれほど減っていないのですが、罠猟による有害鳥獣駆除が増加傾向にあることも関連して、猟期に銃猟で捕獲することが難しいことがおおくなりました。


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安田

最後に、好きな猟のスタイルを教えてください。


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米山

愛犬たちとともに協力する猟が理想です。


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安田

良いですね〜。猟には、先輩や仲間と一緒に、チームでやる楽しみもありますが、一人で入る山も最高ですよね。
本日はありがとうございました!


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米山

ありがとうございました!


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まり子

ありがとうございます!

第二話につづく・・・

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